わたし、BL声優になりました
「後、もう一つ。頼るなら緑川なんかより俺を頼れ。出来る限りのことはするから」
「……ありがとうございます」
どうして、そこでウグイス先輩が出てくるのか。こんな時までライバル心を剥き出しにしなくてもいいのでは? と思いつつも、黒瀬先輩の心遣いを嬉しく思い、素直に感謝を述べた。
「俺、今日は生放送のラジオあるから。時間があるなら聞けよ。先輩様の貴重な生ラジオだからなっ!」
「はい。聞けたら聞きますね」
ゆらぎは自信満々にラジオの宣伝をする黒瀬を華麗に受け流した。
「それは……フラグか?」
すっかりいつもの調子を取り戻した黒瀬とゆらぎは軽口を叩き合いながら、寮の自室へと戻って行った。
黒瀬の生放送ラジオが始まる五分前。
入浴を済ませたゆらぎは、携帯アプリでラジオを起動し、放送が開始するのを待機していた。少し手持ちぶさたになり、台本を捲りながら過ごす。
「午後、十時をお知らせします──」
ピッ、ピッ、ピー、と規則的な電子音の後、アナウンサーの時報と共に生放送のラジオが始まった。
「黒瀬のキミをセ・メ・ル。リスナーの皆さん、こんばんは。黒瀬セメルです」
お決まりの台詞が流れ、オープニングトークが始まる。
「……ありがとうございます」
どうして、そこでウグイス先輩が出てくるのか。こんな時までライバル心を剥き出しにしなくてもいいのでは? と思いつつも、黒瀬先輩の心遣いを嬉しく思い、素直に感謝を述べた。
「俺、今日は生放送のラジオあるから。時間があるなら聞けよ。先輩様の貴重な生ラジオだからなっ!」
「はい。聞けたら聞きますね」
ゆらぎは自信満々にラジオの宣伝をする黒瀬を華麗に受け流した。
「それは……フラグか?」
すっかりいつもの調子を取り戻した黒瀬とゆらぎは軽口を叩き合いながら、寮の自室へと戻って行った。
黒瀬の生放送ラジオが始まる五分前。
入浴を済ませたゆらぎは、携帯アプリでラジオを起動し、放送が開始するのを待機していた。少し手持ちぶさたになり、台本を捲りながら過ごす。
「午後、十時をお知らせします──」
ピッ、ピッ、ピー、と規則的な電子音の後、アナウンサーの時報と共に生放送のラジオが始まった。
「黒瀬のキミをセ・メ・ル。リスナーの皆さん、こんばんは。黒瀬セメルです」
お決まりの台詞が流れ、オープニングトークが始まる。