死神の僕は命を描く
それからも、新と莉音と過ごした。季節と時間は止まらない。

六月は雨をよく絵に描いた。七月は夏祭りを三人で行った。八月は映画館や遊園地、プールに花火大会とたくさん遊んだ。

新が笑うたびに、胸が苦しくなる。なぜなら新の目に悲しみがあることがわかるから。

九月になると、十月にある修学旅行の話でクラスや二学年は持ちきりとなった。

「新!修学旅行楽しみだね!ディズニーランド初めてなんだ〜」

そうはしゃぐ莉音に、新は「ごめん!俺、修学旅行行けないんだ」と申し訳なさそうに言う。

「えっ?何で!?」

驚く莉音に、新は寂しげな目を向けるだけ。僕の胸が痛い。苦しい。…どうして?

新は学校にいるとつらそうにすることが多くなった。そして、学校をたびたび休むことが多くなった。

クラスの中心人物が休むことが多くなり、クラスメートたちは「何かあったのか?」とざわつく。莉音も心配そうな表情を見せ、僕はうつむくことしかできない。



修学旅行が終わった後、僕は真っ先に新のもとへと向かった。新は病院に入院していて、僕が病室に行くと、少し痩せていた。

「ライ…」

新が笑って手を振る。僕もそれに応えるように手を振り返した。
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