死神の僕は命を描く
カルナやトラーンの気持ちが、わかった気がした。ああ、こういう思いをあの二人は感じていたのか…。

その刹那、僕は真っ黒な闇に包まれる。禁忌の始まりだ。僕は黒いローブに身を包み、手に大きな鎌を持っている。

僕は窓を開け、夜空へと飛び出した。空を飛び新のもとへと向かう。

今、助けるから……。これからも、ずっと生きられるから……。

心の中で何度も呟いた。

病室で新は寝息をたてて深い眠りについていた。よかった。禁忌はその人が眠っている状態でないと、犯すことができない。

「神様……。どうか……どうか……お願いです……。私の命と引き換えに……彼を……岩下新を……幸せと長寿へと……お導きください……」

僕は彼の近くにひざまずき、禁忌の呪文を唱える。その刹那、僕の足元に不気味に輝く魔法陣が現れた。僕は微笑み、ためらうことなく鎌を魔法陣に突き刺す。

僕の体がゆっくりと消えていく。僕のことを、みんな忘れてしまう。新も、莉音も、僕に関わった人は、全員僕のことを忘れてしまう。
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