死神の僕は命を描く
「おはよう」
僕は社員証を首にかけ、フロアの中に入る。僕以外はもう出勤していて、仕事を片付けていたり、コーヒーを片手に同僚と話していたり、自由に過ごしていた。
「おっ!ラルム、 guten Tag!」
コピーされた資料を片手に、同僚のトラーンが近づいてきた。その顔は爽やかな笑顔が当たり前のように張り付いている。
「……おはよう。何でドイツ語なんだ?」
トラーンは頭をかきながら笑顔を崩さず言う。
「いやぁ〜先日まで担当してた人間がドイツ人でさぁ〜。オクトーバーフェスト楽しかったなぁ」
僕はため息をついた。
「……僕たちは死神なんだぞ。感情を出すのは人間の前だけでいいだろ。お前みたいなのがいるから死神の中にーーー」
僕はあることに気づいた。
このフロアで働いているのは、十二人。デスクも人数分揃えられているはずだ。しかし、今フロアにデスクは十一個しか置かれていない。
「……デスク、一つ減ってないか?」
表情を変えずにそう言う俺に、トラーンは寂しげに目を伏せた。
「……カルナが消えたんだ……」
僕は社員証を首にかけ、フロアの中に入る。僕以外はもう出勤していて、仕事を片付けていたり、コーヒーを片手に同僚と話していたり、自由に過ごしていた。
「おっ!ラルム、 guten Tag!」
コピーされた資料を片手に、同僚のトラーンが近づいてきた。その顔は爽やかな笑顔が当たり前のように張り付いている。
「……おはよう。何でドイツ語なんだ?」
トラーンは頭をかきながら笑顔を崩さず言う。
「いやぁ〜先日まで担当してた人間がドイツ人でさぁ〜。オクトーバーフェスト楽しかったなぁ」
僕はため息をついた。
「……僕たちは死神なんだぞ。感情を出すのは人間の前だけでいいだろ。お前みたいなのがいるから死神の中にーーー」
僕はあることに気づいた。
このフロアで働いているのは、十二人。デスクも人数分揃えられているはずだ。しかし、今フロアにデスクは十一個しか置かれていない。
「……デスク、一つ減ってないか?」
表情を変えずにそう言う俺に、トラーンは寂しげに目を伏せた。
「……カルナが消えたんだ……」