もののけ姫に愛されて。。
『…この子に、似てるわよね…?
馬鹿みたいに…お人好しなところもあったゎ…
【私は、リアと彼の邪魔はしたくない。皇后にはリアがなって】…と。馬鹿にしてるわ…
貴方が、本当に愛した人を皇后に据えたかっただけなのに…』

「……それは…っ」
《それで、…彼女を? 殺したというのか…?

まるで、実感がわかない…

彼女の言っていることは、本当だろうか…?》


何か…が、引っかかる…

胸の中に、何かが…つっかえているような…


『信じられない…?』

「いゃ、覚えてないから…。」
《昔の彼女を、愛していただろう…記憶はあるのに…

それが、昔の自分の感情なのか?…いまの自分の感情なのか…?

分からない…》


一向に…、思い出す気配のない律に…

リアは、深いため息を1つつき…

『あとは、自分で思い出すのね…』

そぅ…、微かに寂しげに呟くように言い…テーブルの向こうにいる律の身体…肩先やその頬を自分の方に向ける…

「…身体がないからと言って…、私は貴方を諦めない…
例え、どんな犠牲を払っても…ね…」

そぅ…、言うと…律の唇に口付けをした…

律は、すぐ様…その身体を引き離し…

「っおいっ! こんな所で…」

両手を引き離した瞬間…、目の前の彼女は、勝ち誇ったような微笑を浮かべていた…


その、次の瞬間…、ふ…っと、美結の身体は力なく崩れ落ちそうになった…

律は、寸で…の所で、その腕を支えた…。。彼女は、また何処かに消え失せたのか…?

腕の中にいる…美結は、あの日、倒れた時と同じ表情で、眠っている…

「……っ」

律は、額から冷や汗が伝い落ちるのを感じた…

目の前で、こうも簡単に霊が乗り移る瞬間を見たのは、初めてだった…

「……っ」
《このままでは、彼女の体力や精神力が持たなくなる…

どうしたら…?》


「…アレ…っ?」

美結の声に、律は、すぐに我に返った…

「…大丈夫…?」

心配そうに、自分の顔を覗き込む律に、美結は、すぐ様…

「大丈夫だょ。あたし…、もしなして…寝落ち…?」

そぅ、照れ笑いを浮かべる美結…

「…あ、うん…。」

「ウソっ! ヤバい! 寝顔、見た?」

笑い飛ばして見せる美結に…

「…ムリしないで。」

心配させまいと、笑って見せる美結…。。律は、ため息混じりにそぅ言った…

その美結の頭を撫でた…その律の行動に、美結の頬は一瞬にして、紅潮した…


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