もののけ姫に愛されて。。
「お前は、自力で行こう…とは思わないわけね?」

しがみつく悠斗に、律は冷たい視線を向ける…



電車に乗った4人…。。

が、混雑時ということもあってか…4人は、あっという間に散り散りとなってしまっていた…


「……っ!」
《…っあ~、瑠奈ちゃん、何処~?》

電車の出入口のドアに、身体を押さえ付けられるような体勢となっている美結…

身動き取れないまま…、首だけ…キョロキョロと辺りを見回す…

「…ヤバい…っ」
《完全に、はぐれた~っ!

連絡…しようにも。。

携帯、鞄の中だ…っ!

駅、何処で降りるんだっけ? う~…、佐伯くんのことを笑えない状況っ!》

手を伸ばそう…にも、身動き1つ取れない…


その、美結のすぐ後ろ…に…

「三枝、大丈夫…?」

そぅ…、耳元に届いた…聞き覚えのある声…

うっすら…と、窓ガラスに映った姿に、笑顔が戻る…

美結は、そ…っと、自分の後ろを振り返る…

「西園寺くん! 良かった~…」

何とか…、律の方を向き…体勢を替えた美結…

「はぐれなくて、良かった。
三枝、身体小さいから…潰されるよ?」

そぅ、美結の身体が潰されないよう…ドアと人混みの縦になる律に…

「…ありがとう…。大丈夫?」

「まぁ、何とか…っ」

美結は、いつもと変わらない笑顔を向け…、律の胸元に自分の額をくっつける…

「いつも、守ろう…としてくれてるね…」

そぅ、独り言のように呟いた…

「ん? なに?」

人混みに掻き消された…その言葉に、律は聞き返そうとしたが…

美結は、さっ…と顔を上げ…

「何でもない…! 瑠奈ちゃん達、何処にいるかな?」

「降りたら、連絡するよ…」

律は、身体を支えていた…もう、片方の手で美結の頬に触れる…

その顔を、自分の方に向け…

「…ここで…?」

一瞬にして…、頬を赤らめた美結に…律は、微かに微笑みながら…

「ちょっとだけ…、ダメ?」

そぅ、いつもと違う表情をしてみせる…。。

美結は、律の背に、手を回し…少し、背伸びをしてみせる…

「…ん…っ!」

唇を重ね…、何度目かの口付けを交わした…

舌先を絡ませる…、背伸びした足元が崩れ落ちそうになりながら…

「…と…っ! 大丈夫?」

美結の身体を、慌てて支えた律…

「も、恥ずかしい…っ!」

そぅ、頬を膨らませる美結に、律は微笑ましそうに見つめる…

「可愛い…。子猫みたい…」

「もぅ! なに、それ?」

律は、美結の身体をきゅ…と抱きしめた…

「子猫より可愛い…」

「もぅ…、猫じゃないんだけど。。」
《西園寺くんは、

最近、こんな風に…いつもと違う表情を見せる…


それは、少しは好意的になってきてくれてる…っ手、ことなのかな?

そぅ…思っても…、いいよね?》


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