もののけ姫に愛されて。。

彼女は、律が以前、祖母の天音の法事の時に見かけた…女性の幽霊が身につけていた着物と似たような紅い着物わ身につけ…、背中までの髪の長さも同じようだった…

そして、何より驚いたのは…


「……っ」


律の視線の先に、美結の背後には彼女を見守るように銀色の髪をした女性がいたことだった…

律のその視線に、気づいた美結は…

「西園寺くん、大人っぽくなったね。」

「えっ？ そうかな？ 三枝も…、大人っぽくなったな…。
あのさ…」
《…綺麗になった…》

「あたし、西園寺くんに会えたら…話したいことあって…。瑠奈ちゃんに、連絡して…あたしの連絡先、聞きだしてた…って、聞いてたから…
瑠奈ちゃんに、【西園寺くん、美結のこと、好きかもよ？】って、言われたから…
考えてたんだょ…ずっと…」

言いかけた言葉を、またもや…遮られた…

そこまで…、伝わってたか…。。

今度こそ…、バツが悪いな…と、内心思っていた…

美結は、律の方をまっすぐに見据え…、笑顔を向ける…

「…あのね、やっぱり…あなたが大好き…」

そぅ…、いきなりの言葉に…、今度こそ振られる覚悟をしていた律は、言葉を失っていた…

「…は…？」

いま…、なんと言っていたか…？ 即座に、頭の中で、反芻した…

「もぅ、何回も言わせないで！
貴方のことが好きなの…。あの頃から、ずっと…」

そぅ…、言い終わるや否や…、律は、美結の身体を自分の方に引き寄せ抱き締めていた…

「ちょっ！ こんなトコで～！」

と、慌てふためく…美結に、拒否られた…が。。

「俺も、好きだよ…」

その抱き締めた腕を緩めることなく…、その耳元に…囁くように伝える…

律の言葉に、美結の瞳に涙の粒が浮かぶ…