クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!
無言の圧力を感じながらビール片手にその場に座る。
叔母さんの顔が怖い。
あっ!わかった!
「ごめん叔母さん!ルビーのイヤリングね。ごめんごめん、落したら困るからすぐ外してバッグに入れておいたんだ。持ってくるね」
返し忘れてた。ごめんなさい。
立ち上がって自分の部屋に行こうと思ったら、妹に手首をガッツリ捕まれた。病み上がりの手が熱い。あんたも少し寝てなさい。
「叔母さんの携帯に長田さんから電話が来た」
「長田さん?」
妹の目が輝いている。
いや、母と叔母の目も輝いていた。
「結婚を前提に付き合いたいって」
叔母が言うと他のふたりが盛り上がる。
長田さんって、さっきの俺様ドS内科医?
「いや無理。タイプじゃない」
即答するとみんなに怒られた。
「あんな優良物件はない」「自分の年を考えなさい」「もう二度と出えない」「イケメン金持ち次男だよ」「優しそうな声だった」「お姉ちゃんにもう選択権はない」「豪華挙式かも」
突っ走る三人組。
私の話なんですけどっ!