クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!
KINGたちのブッキング
休み明けの月曜日。
仕事に集中してしまうのは、きっと昨日の現実を忘れたい為。
パソコン画面をチェックしてたら、背中をツンツン突かれた。
「お昼行くよー」
我が社トップクラスの美しさを誇る同期の鈴木凜華(すずき りんか)ちゃんが苦い顔して立っている。
「先に行っていいよ」
「私が誘わないとデスクでバナナで終わらせるでしょ」
「失礼だね。ビタミンゼリーだよ」
「行くよっ!」
引っ張られてしぶしぶ席を立つ。顔の綺麗な人って強引だよね。昨日の二人のイケメンを思い出してしまう。忘れようとしてるのに……もう……金曜日のブッキングはどうすりゃいい?昨日は疲れちゃって何も考えなかったけれど、このままじゃダメだよね。
「元気ないじゃん。やっぱり気になってるの?」
遠慮がちに私に聞く凜華ちゃん。今日も巻き髪が美しいわ。
「あんな男忘れなさい。どうせ結婚しても若い子に手を出して家庭は修羅場よ」
「えっ?あっ……あぁ……まぁね」
「あんな女より玲菜の方が100倍いいんだから。それに気付かないヤツが一番バカ!」
私は二年ちょっと付き合っていた男に捨てられた。