クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!
箸を進めながら
ぼちぼちと話も進める。
私が予定もないのにドタキャンしたのを2人に責められたけど、私は2人の強引な誘いは非常識と責め返した。
「俺達は見合い相手だぞ。見合いの後は結婚だろう」
長田さんは当たり前って感じで言うけど、大下さんはそれを鼻で笑い「相手が違うのでノーカウントですよ」と言う。
空のジョッキが増えてきた。
みんな飲み過ぎかもしれない金曜の夜。
「玲菜さんはどう思います?僕と彼なら、どちらを選びます?」
堂々と聞く大下さん。長田さんは知らん顔で髪をかき上げる。
二人ともモテるから女性から拒否なんてされた事ないんでしょうね。自分に自信のある男ってやつはめんどくさい。元彼の顔が浮かんですぐ消した。
ため息をしてジョッキのおかわりをお願いすると「玲菜ちゃん飲み過ぎ」と、おばさんからストップかけられる。
「どっちだ?」
長田さんの冷たい目が光り返事に困っていたら、ブルブルと誰かのスマホが鳴っていた。
それは長田さんのスマホで、だるそうに彼は画面を見て軽く会話をして「ごめん。ちょっと急用ができた、また連絡する」と言って財布から万札を三枚出してテーブルに置いた。
「いやこれ多すぎる。このお店は美味しいけど安いの」
「多かったら次に返してもらう」
それって次に会う約束?
眉間にシワ寄せて長田さんを見てると「責任持って送り届けるから」って大下さんが長田さんに言う。
目をそらさずに見合う二人が怖すぎる。