クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!
「単身赴任のお父さんは次にいつ戻るか聞いてた。お姉ちゃんと結婚したいみたい」
妹の言葉にミネラルウォーターを吹き出してしまった。
「もうこれで決まりと思ったら、またイケメンが現れて、お母さんどうしようかと思った」
「大下さんって、話を聞いたらホテルの御曹司なんだって?凄い人つかまえたよねお姉ちゃん」
「大下さんの上品な顔も好きだなお母さん」
「私は長田さんの顔がクールで好き」
盛り上がり過ぎでしょう。
「それで、お姉ちゃんの本命はどっちなの?」
妹に聞かれて苦い顔をする私。
本命って言われても。
「私達はどっちでもいいよ。どっちがお義兄さんになっても最高だよ。でもね、おねーちゃん」
ジャイアンな妹は私の首を後ろから片手でしめつける。
「このチャンスを逃したら、もう二度とモテキは来ないと思って真剣に取り組みなさい」
刺客のような鋭く冷たい声が怖すぎる。
反射的に首をコクリと縦に振ったら、母と妹は同じ顔で満足そうにうなずいている。
流れが早すぎて
私だけ溺れてしまいそう。