クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!
「あと数時間後の美味しい食事を楽しみにしてます」
「早く帰れって言ってます?」
「言ってます」
「そんな玲菜さんが好きです。ハグしていいですか?」
両手を広げるので「ダメです!」と、強く拒否する私。
「では、あとで」
大下さんはあきらめたように恭しく私に一礼してから、注目しているギャラリーにも軽く頭を下げた。女子社員の目がハート系になってます。
無事フロアから出たのを確認して、コーヒーを注ごうとしてると凛華ちゃんが凄い顔で私に詰め寄る。
「ちょっと!何あれ?誰?どこで見つけたの?」
目が怖いよ。
「話せば長いの」
長いというより
ややこしいよ。
「全部話しなさい!」
「そのうち話します」
「今日!」
「今日は約束ある」
「さっきのイケメンと?」
「うん」
「いつの間に」
「いやだから、話せば長くて」
「絶対離すんじゃないよ!」
凛華ちゃんの綺麗な顔が迫力あってやっぱり怖い。
私は「はい」と返事をして、凛華ちゃんの後ろでこれから色々話を聞こうとしているワクワク顔の先輩と後輩と同僚女子の目線を感じて小さくなった。