クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!
最初から
大下さんに旅行の返事もせず
ダラダラと時間だけが過ぎてしまう。
大下さんも返事を急かしたりしない。さすが余裕の御曹司だ。色んな意味で優雅である。でも強引なので、もしかしたら予定を立ててる可能性もあるからちょっと怖い。
土曜の夜は友人の結婚式があって、時計が日曜日に変わった時間。私はおしゃれなビールバーで友人たち5人と3次会に流れていた。
今日の結婚式の話とか、2次会で知り合った新郎側の友達とのミニ合コンもどきの話とか、昔ながらの友達が集まると話はつきない。
「上からも下からも言われる立場になってきたよね」
「結婚で仕事辞めるのって怖いよ」
「だって頑張って入ったんだもん。自分の収入は大切だよ」
「聞いて!うちの後輩の逆ギレ話っ!」
子供の頃
お酒飲んで仕事の愚痴をはらすのは、サラリーマンのお父さん達だけだと思っていた。でもそれは大きな間違いで自分もリアルでやってます。
その流れからの男性のお話。
ほどんどみんな彼氏がいて、結婚間近な子もいる。
見渡すと私だけフリーで悲しいわ。
「玲菜はどう?」
「うーん……色々あるけど、まだ……」
話が長くなるので大下さんと長田さんの話はやめとこう。
「そっか、いい人現れたらいいね。でも自分のフリーの時間も大切さ」
「フリーの時間がありすぎて」
自虐的に笑っていると
「ねぇ、あの人すっごくよくない?」
少し酔った子が声をひそめて私達にそう言った。