クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!

そしてたどりついた初めてのエグディクテブスイートは、夢の部屋だった。

広い
とにかく広い。
広くて明るくて
大きな窓から見える海が贅沢で感動しかない。

リビングルームを挟んで
ベッドルームがふたつ
バスルームもふたつ
リビングだってうちの会社の会議室くらいある
白い革のソファがガラスのテーブルを囲むように並び、全体的に落ちついた雰囲気の中、サーモンピンクのカウチソファが可愛らしい。

「ワインも冷えてる」
窓際にあるアンティークなテーブルの上にはウェルカムケーキとガラスのワインクーラーがあり、長田さんは慣れた手つきでワインのコルクを抜いてワイングラスに注いで渡してくれた。

「まだ夕方なのに、贅沢だね」

「いいんじゃない?」

軽く乾杯をして喉を潤す
大下さんが用意してくれたワインは美味しい白のスパークリングワインで、緊張気味の私の心を楽しく弾いてくれる。

大下さんって
本当に完璧な王子様だね。

「何考えてる?」

「ないしょ」

「ふーん」
口をとがらせながら彼は私を後ろから抱きしめる。

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