ヒマワリ
香奈、仕方なく黙ってバーコードをピッ。

弁当をレンジに入れる。

「四百八十円になります」

「ヤベーチョーヤベーチョーウケル。
 え?
 そん時マキムラさんは?
 マジで!?
 ありえねー……」

男は携帯に夢中のままポケットを探り、五百円硬貨を取り出すとレジの上に放り投げた。

香奈は跳ねて落ちそうになる五百円玉を慌てて捕まえ、レジを打つ。

「二十円のお返しです。
 もうしばらくお待ちください」 

差し出されたおつりを男はやはりうわの空で受け取り、なにやら爆笑している。

ふう、とため息を一つ吐く香奈。

その前に、1冊の雑誌が置かれる。
< 14 / 48 >

この作品をシェア

pagetop