ヒマワリ
ロッカーが並ぶ狭い室内。

うなだれている香奈。

すでに私服に着替えている。

その前には、店長が腕組みをしている。

「困るよね、君。
 もっとしっかりしてくれないと」

「すみませんでした」

「まあ、今回だけは大目に見るけど……」

そう言って店長は香奈の表情を盗み見る。

それには気づかず、

「すみませんでした。
 次からは気をつけます」

と頭を下げる。

「ね、ねえ、香奈ちゃん?」

突然、店長の口調が変わった。

「はい?」

顔を上げた香奈に近寄ると、店長は手を伸ばしてその肩に触れる。

「ちょっと、疲れてるんじゃない?
 悩みとかあるんだったら、僕でよかったら聞くよ?
 あ、どうかな、今度ゴハンでも……」

香奈、後ずさりしつつ、

「あ、じゃこれで失礼します。
 お疲れ様でしたー」

そう言って慌てて部屋を出る。

「あ、ちょっとーー!!」
< 19 / 48 >

この作品をシェア

pagetop