ヒマワリ
香奈は小さな木製のちゃぶ台(もちろんその上にも雑誌やらコンビニ弁当のカラなどが積み重なっている)の前に正座して、こちらも濡れた頭をタオルで頭を拭いている。

そわそわと部屋中に視線を泳がせなんだか落ち着かない様子だ。

「いや、こちらこそ。タオル貸してもらって」

「あ、ちょっと待っててね。今ココア入れるから」

かいがいしく台所を動いて、香奈をもてなす準備をする男。

熱くなったやかんの取っ手をつかんでしまう。

ジュッ、という音がして、男がのけぞる。

「あぢぃっ!」
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