ヒマワリ
ふと、何かに気づき視線を向ける香奈。

川原の土手にひとりの男が胡座をかいて座っている。

ぼさぼさの頭に、季節感を無視したヨレヨレの灰色のコートを着た“彼”が真剣な表情でなにやらごそごそしている。

目をこらす香奈。

よく見ると胡座をかいた“彼”の足の間には黒いボーリングの玉がのっている。

それを“彼”は手にした布で憑かれたようにキュッ、キュッと磨いていた。
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