ヒマワリ
振り返ると、5、6人の憎たらしい顔をした小学校3・4年くらいの子供が、手に手に石を持ち、“彼”を的にして、石をぶつけて遊んでいた。

“彼”はそれに逆らおうともせず、ただ卵を守る親鳥のように、うずくまって大事そうにボーリングの玉をかばっていた。

「ねえ、あれ」

驚いた香奈がのぞみに声を掛けるが、のぞみは平然とした様子で

「ああ、気にしない気にしない。いつものことだから」

「そんな……」

香奈はやっぱり気になってしまう。

そんな香奈の目の前で、“彼”の頭に、大きめの石が命中した。

「あっ!」

鈍い音が香奈のところまで聞こえた。

「やっりい!」

1人がガッツポーズをとった。
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