羊かぶり☆ベイベー
Two sheep 嘘吐きでも許して
1日の業務を終え、会社の自動販売機でアイスコーヒーを買った。
そして、直ぐ側にある飲食スペースに、腰を下ろす。
今日もいろんなことが、有り過ぎた。
朝はユウくんに倉庫で問い詰められ、昼間はまさかの吾妻さんと再会した。
思い返すだけで、未だに頭が混乱しそうになる。
先ほど、買った缶コーヒーを開けた。
「……苦い」
普段から飲んでいる筈の微糖のコーヒーは、何故かしら苦味を強く感じた。
無意識のうちに、ストレスを感じているのだろうか。
そんなどうしようもない自分に向けて、溜め息を吐く。
机を見つめて、悶々としていた。
そのときだった。
「みさおちゃん」
呼び掛けられて、見上げる。
誰かなんてことは、もちろん分かってのことだった。
「ユウくん、お疲れ様」
「お疲れ様。大丈夫?」
「大丈夫って、何が?」
まるで当然のことだと言うように、ユウくんは私の正面に落ち着く。