羊かぶり☆ベイベー
Four sheep 親しくなんてなれない
同期の汐里と、ばったり社員食堂の前で居合わせたため、一緒に食べることにした。
そうして、2人で食堂内に入ったのだが。
今日の食堂は、普段に比べて何倍も賑わっていた。
そのとき、汐里が女性が群がっている奥の方を指差す。
「ねぇ、あれ。あの集まり、何だと思う?」
「んー、何だろうね」
私も背伸びをしながら見るものの、その群衆の中心は見えない。
まあ、それはそれで一切関わらずに置いておいても、何一つ問題は無い。
そもそも、私たちは食堂へ昼食をとりに来た。
それ以外のことをする必要は無い。
「まぁ、いいよ。食べよ」
「みさおは、気にならないの?」
「うん。それより、お腹減っちゃって」
「相変わらず、マイペースだねぇ。まぁ、そういうところが良いんだけどさ」
「ありがとう」と言えば、汐里は悪戯っぽく微笑む。
その明るい垢抜けた様は、私にはとても眩しい。
券売機で、おろしハンバーグ定食の券を買い、カウンターへ進む。
すると、先程の賑やかな群衆へと、より近付くことになる。
定食を受け取るために、カウンターを4、5歩横移動したときだった。
突然、汐里が声を漏らした。
「イケメンがいる……」
「え?」