羊かぶり☆ベイベー
「知り合い?」
「ま、まぁ……」
「詳しく聞かせなさい」
「そ、それは、ちょっと……」
「聞かせなさい」
「あ、は、はい……」
煮え切らない私の返事に、むずむずするらしく、それぞれ定食を受け取り、汐里は私をテーブルへ急かす。
「で? あのイケメンさんとは、どういう関係なのよ!」
「それは……」
「……まさか、二股? いつの間に、そんな器用なことが出来る子になったの?!」
「ち、違うよ! そんなんじゃない!」
「じゃあ、どういうこと? かなり親しげだったよねぇ」
口ごもる私に、ますます前のめりになって聞いてくる。
これは言わなければ、午後の業務に帰してくれなさそうだ。
「あのね、私の行きつけのお店があって……」
「うんうん」
「そこで出会った人なの」
「ほぉほぉ」
「そこで、出会った人……なの」
「……それだけ?」
汐里がずっこける。
これ以上は、何と言ったら、表現したら良いんだろう。
カウンセリングのことは、出来るだけ伏せていたい。