ただ、只、模範的な日常。

第１章ー貴方との出会いと友達への進歩。ー(一ヶ月目)

第１話ー嫌な予感が漂う人ー

私の名前は山木(やまぎ)　知花(ちか)
此処、市立山波(やまなみ)中学校の中学二年生の女子です。
今日は中学二年生に成った初日です。
クラス替え発表も行われ、始業式も終わり、これから学活の授業が始まろうとしていた所でした。
あの人と出会ったのは。

『えー…取り敢えず出席を取ります…えーと…あれ、陣川君が居ないな…連絡来てないんだが…誰か、何か知っていますか？』
『ザワザワザワ…』
只、騒然とした教室の中には、正しい陣川さんの情報は無かったようで、先生は
『知らないなら良いですでは、これから四時間目を始めます…起立』そう言って生徒を起立させた。
『はい！！』』』
『お願いします』
『お願いします！！』』』
すると、突然、
『ガラガラガラ！！』
と、勢い良く教室の扉が開かれた。
『先生！！遅れましたっ！！』
そう、扉から出てきた男の人は叫んだ。
『あの…貴方は？…』
と、軽く引き気味の先生がその人に問う。
『陣川海！このクラスです！』
『あぁ、貴方が陣川君ですか…どうして遅れたんですか？』
先生に問われた陣川さんは狼狽えながら、こう、答えた。
『あの…寝坊しました』
それは、今迄の登場シーンで、笑いを堪えていた人達の、笑いの引き金を引いてしまったようだった。
『あははははははは！！』
一斉に皆が笑い出した。
『とっ！とにかくっ！次からは気を付ける様に！！さっさと用意して、机の中の荷物入れて、そこの席に着席しなさいっ！！』
と、何だか負けた気になったような先生がヤケクソで叫ぶ。
『先生、分かりましたー！』

(『え…もしかして…その席って…』)
『ガタ…』
と、隣の席に陣川さんは座ると…
『初めまして！海(うみ)って呼んでくれよな！宜しく！』
と、私に話し掛けてきた。
『初めまして。山木知花です。ご自由に呼んで下さい。』
と、完全余所行きの顔で対応する。
『ふーん…じゃあ、知花ちゃんって呼ばせてもらうからね！』
と、笑顔を振り撒かれる。何か嫌な予感が漂うこの人が、隣の席に成ったのは、不安しかないけど、又、良い顔だけして、やり過ごそう。