玻璃の向こう
第二章/raise your glass
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デスクの内線が鳴ったのは、それから二週間ほどたった、ある日の昼下がりのこと。
「はい、奥谷です」と受話器を耳に当てる。
『お久しぶりです、七村です』
「あ、どうも」
意外さに間の抜けた声が出る。言いながら、何の用だろうという疑問が頭を渦巻く。
『先日はありがとうございました』
「いえ、そんな」
『お礼といってはなんですが、奥谷さんを食事にお誘いしたくて』
初めて電話ごしに聞く圭介の声は、懐かしいような見知らぬ人のような不思議な響きで耳に届く。
『僕の行きつけの店なんです。あ、アットホームな雰囲気の気取らないところですよ』
デスクの内線が鳴ったのは、それから二週間ほどたった、ある日の昼下がりのこと。
「はい、奥谷です」と受話器を耳に当てる。
『お久しぶりです、七村です』
「あ、どうも」
意外さに間の抜けた声が出る。言いながら、何の用だろうという疑問が頭を渦巻く。
『先日はありがとうございました』
「いえ、そんな」
『お礼といってはなんですが、奥谷さんを食事にお誘いしたくて』
初めて電話ごしに聞く圭介の声は、懐かしいような見知らぬ人のような不思議な響きで耳に届く。
『僕の行きつけの店なんです。あ、アットホームな雰囲気の気取らないところですよ』