玻璃の向こう
「奥谷さんの話が、デザインの突破口になった」

「わたしの?」
目を丸くする。

「だから今日はそのお礼」圭介がやわらかく笑む。
「乾杯したいんだ。できればこれからも、こうしてきみと」

彼がグラスを持ち上げる。

一花もグラスを手にとって、圭介のそれと高さを合わせる。

視線が結ばれる。それはふたりの始まり———
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