すきだよ、先輩。
STORY2


◆◆◆◆◆◆


――「あの、付き合ってください!」

この声は私ではない、告白現場を目の当たりにしている立花ひかる15歳。

今日はちゃんと迷わずに通学できたわけであって、先生からも褒められたその昼休み。資料を運ぶのを手伝ってと、先生から頼まれその資料を運び終えた後だった。

誰もいない視聴覚室の前を通ると、その声が聞こえた。

――でも、こんな告白現場って本当にあるんだな。漫画とかで何度も読んだことはあったけど、実際に目撃することになるとは・・・。って、人の告白のぞき見なんて趣味悪いよね、さっさと教室戻ろ。


――「葉月君、だめかな」


”葉月君””葉月君””葉月君”―。
私の頭の中で何度も、呼ばれた名前が連呼される。


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