すきだよ、先輩。
◆◆◆◆◆◆
――「おい、ひかる」
「え?」
「次、移動教室だぞ。月宮がさっきから隣で呼んでんのに、お前無視してんなよな」
「え!?ごめん!聞こえてなかった!」
前の授業が終わり、次の授業は移動だというのに、私は気づかず机に肘をつきぼーっとしていた。
洸太郎が私の名前を呼んで、やっと気がつく。隣では、凛ちゃんが教科書を持って待っている。
「ごめんね、凛ちゃん」
「ううん、大丈夫。それより何かあったの?」
私も教科書を取り出して、凛ちゃんと一緒に教室をでる。歩きながら凛ちゃんが聞いてきた。