すきだよ、先輩。
「洸太郎、ありがとう」
私は少し照れながら、手当てしてくれた洸太郎に礼を言う。洸太郎は消毒液を片付けたあと、私に近づく。椅子に座った私と目線が合うように、しゃがみこんだ。
「心配させんなよ、」
「ごめん、私もこうなると思ってなくて。それにケガも全然大したことなかったし」
「大したことなくてよかったけど、傷残ったらどうすんだよ」
「これくらいじゃ傷残らないよ!ほら、この人差し指、ちゃんと洸太郎が絆創膏貼ってくれたし」
私は人差し指を「ほら」と言って、洸太郎の顔に近づけた。すると、洸太郎の手をゆっくり伸びてきて、私の手を掴む。