すきだよ、先輩。


洸太郎(こうたろう)というのは、私の幼馴染み。高校も一緒になったけど、今日の入学式は「先に行く」ってメッセージがきてたから、彼はもう教室にいるはずだ。

「ま、よ、つ、た。っと」

メッセージを送信すると、ピロンと音が鳴り、すぐに返事が来た。

「”ばかか”だって?!なっ、あんたの方がばかだよ!洸太郎のばかっ!」

私は返信メッセージを見て、大きな声をあげた。


――ガサッ。


「(びくっ!)」

突然後ろの木から音がした。それに驚き、反射的に肩が上がった。ゆっくり振り向いてみる。


「「あ。」」



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