すきだよ、先輩。


小学生の頃も一緒に登下校することで、周りからのひやかしがひどかった。小学生ならではの、「お前らできてんだろ」的なガキのおふざけでしかなかったけど、それでもやっぱり俺は気にするわけで、ひかるはなんとも思ってない顔をしていたことを思い出す。


その時の俺は弱虫で、よくからかわれては、泣いてたっけな。


――「洸太郎、泣かないで。ひかるが守ってあげる」


ひかるは、そんな弱虫な俺のヒーローだったっけ。


中学に上がってからは、俺も部活で忙しくなって一緒に登下校することもなくなったけど、それでもひかるのそばにいたのは、いつだって俺だった。



< 40 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop