すきだよ、先輩。
――俺だって、いつまでも弱虫なわけじゃない。
”弱虫”ではないが、”ヘタレ”な自分にいつも腹が立つ。
さっきの実験の時、ひかるがケガしたこと、俺がそばにいたのにどうして守れないんだよ。「小さいけがだし」と彼女は笑ってたけど、それすら守ってあげられない自分がみじめだよ本当に。
告白なんてしたこともない。ずっと気持ちを・・・想いを秘めてきた。
周りからは気づかれてんのかもしれないけど、ひかるだけは昔から鈍感なようで、俺のことなんて男をして見ていない。
「ひかる、こんなに好きなのに」
俺はポツリと静かに呟き、理科室に戻るのだった。
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