すきだよ、先輩。
二人の声が重なった。
「あ、あの・・・ん?同じじゃん!新入生だよね?」
振り返ると、背が高くて栗色の髪の男の子が立っていた。イマドキって感じの男の子で、整った顔のいわゆるイケメンだ。
そんな男の子の胸元を見ると、私がさっきつけてもらった同じ花飾りがついている。それを見た私は、すぐに男の子の近くに寄った。
「は?違うから」
「でも、その花飾り、どう見ても新入生じゃん。もしかしてA組だったりする?教室わからなくて、1年の教室ってどこかな?君わかる?」
「・・・んだよ、迷子かよ」
「迷子じゃないもん。そういう君も、迷子なんじゃないの?」
「はあ・・・こっちだよ、来い」
「うわっ」
私はその男の子に、腕を引っ張られ、ついていくことに。内心ほっとした。これで、入学式には参加できるし、この子と友達にもなれるかも!と。