bitterlips
金をくれる親はいない。
血も繋がっていないじいさんが
唯一の“保護者”だった。
いわゆる、俺はそのじいさんの
たった1人の養子。
そのじいさんは、俺が高校卒業すると同時に静かに死んでいって
俺だけへの少しの遺産で
無謀にも、上京してきたのだ。
宛てもない反抗期を
ダラダラと続かせている俺。
都会のアスファルトの匂いに舌打ちをしながら、俺は東京を排廻する。
とにかく、俺はバンドメンバーを見付けたかった。
見知らぬ都会で
1からのバンド結成。
今思えば、かなりの冒険というか…
無謀。それ以外の何ものでもない。
若さゆえの、行動力だった。