月杜物語
進化の残滓の過程
[浮遊植物]
あたしは高槻だ。
で、アパートの一室で観葉植物を育てている。ここは衛星たる月の都市、月杜。
アワアワを育てている。浮遊植物。
あたしはポテトットンの苗を一室に植えている。
パッと種子が跳ぶ。
胞子だ。羊歯や苔。
それらは原始的な植物なのだ。その形容しがたい生命としての異質さこそがなにかあたしには必要だと思われた。おそらくはそれはこの社会がかつての太古の蛮族の時代を繰り返している、その進化の残滓の過程の明らかな証明だとも思われるからだ。
あたしは高槻だ。
で、アパートの一室で観葉植物を育てている。ここは衛星たる月の都市、月杜。
アワアワを育てている。浮遊植物。
あたしはポテトットンの苗を一室に植えている。
パッと種子が跳ぶ。
胞子だ。羊歯や苔。
それらは原始的な植物なのだ。その形容しがたい生命としての異質さこそがなにかあたしには必要だと思われた。おそらくはそれはこの社会がかつての太古の蛮族の時代を繰り返している、その進化の残滓の過程の明らかな証明だとも思われるからだ。