もう一度〜あなたしか見えない〜
「あんたは破滅の道を選んだ。近々おたくのお偉いさんの所に、営業部第二主任殿の若き日のお盛んな画像が届くことになる。まぁお楽しみにということだ。」
そう言うと、男は立ち上がろうとする。
「そんなことをしたら、あなたも破滅よ。私も無事では済まないかもしれないけど、あなたはお金も取れず、犯罪者に堕ちるだけじゃない。」
と私は言うけど
「構わんさ。1度は人生を共にした仲なんだ、一緒に地獄へ落ちようぜ。」
その後、私達はにらみ合うように、お互いを見る。沈黙が少し続いたあと、口を開いたのは私だった。
「わかりました。私があなたに償わなければいけないことをしたのは事実。法律がどうあろうと、それから逃れるつもりはありません。」
その言葉に、男は意外そうな表情を私に向けた。私は、バッグから封筒を取り出すと、男の前に置いた。
「100万あります。お納めください。」
男はその封筒を少し眺めていたが、ふと我に返ったように、慌ててそれを上着の内ポケットに入れると、ニヤリと私の方を見た。
「こんな、はした金でふざけるなと言いたいところだが、思い出の場所に免じて、今日のところはこれで引き下がってやるよ。」
「・・・。」
「また連絡する。それまでしっかり稼いでおいてくれよ。第二主任殿。」
そう言うと、男は立ち上がり、振り返りもせず、店を出て行った。その後ろ姿を正視することが出来ず、俯いた私の目に、2人で注文した飲み物の伝票が入った。
付き合っていた当時、あの人がここで私に財布を出させたことなどなかった。別にこの程度の支払いが惜しいわけじゃない。だけど、何もかも変わってしまったあの人が悲しかった、そしてあの人をあんなにしてしまった原因は間違いなく、私自身なのだから・・・。
そう言うと、男は立ち上がろうとする。
「そんなことをしたら、あなたも破滅よ。私も無事では済まないかもしれないけど、あなたはお金も取れず、犯罪者に堕ちるだけじゃない。」
と私は言うけど
「構わんさ。1度は人生を共にした仲なんだ、一緒に地獄へ落ちようぜ。」
その後、私達はにらみ合うように、お互いを見る。沈黙が少し続いたあと、口を開いたのは私だった。
「わかりました。私があなたに償わなければいけないことをしたのは事実。法律がどうあろうと、それから逃れるつもりはありません。」
その言葉に、男は意外そうな表情を私に向けた。私は、バッグから封筒を取り出すと、男の前に置いた。
「100万あります。お納めください。」
男はその封筒を少し眺めていたが、ふと我に返ったように、慌ててそれを上着の内ポケットに入れると、ニヤリと私の方を見た。
「こんな、はした金でふざけるなと言いたいところだが、思い出の場所に免じて、今日のところはこれで引き下がってやるよ。」
「・・・。」
「また連絡する。それまでしっかり稼いでおいてくれよ。第二主任殿。」
そう言うと、男は立ち上がり、振り返りもせず、店を出て行った。その後ろ姿を正視することが出来ず、俯いた私の目に、2人で注文した飲み物の伝票が入った。
付き合っていた当時、あの人がここで私に財布を出させたことなどなかった。別にこの程度の支払いが惜しいわけじゃない。だけど、何もかも変わってしまったあの人が悲しかった、そしてあの人をあんなにしてしまった原因は間違いなく、私自身なのだから・・・。