もう一度〜あなたしか見えない〜
3ヵ月はあっという間に過ぎた。今日で、私の手元から離れるという日、私達はお疲れ様会ということで、2人で飲むことにした。


彼のことはせいぜい弟、可愛い後輩としか思ってなかったけど、一応夫には了解を取った。彼のことは、いろいろ話していたし


「最後だからって、あんまり強引に飲ませるなよ。」


と笑いながら釘を刺しただけで、快く許してくれた。


2時間くらいだったけど、楽しい時間だった。思い出話やお互いの身の上話をしたあと、ごく自然な流れで、メ-ルアドレスを交換した。


仕事のことで、なんかあったら相談に乗るよ、そんなつもりだったし、実際にそう言って、別れたんだけど、今にして思えば、これが間違いの始まりだったのかもしれない。


彼が私の下を去り、私の生活は元に戻った。そして彼とメアドを交換したことも忘れかけていた2か月後、彼からメールが来た。初めての商談がまとまった報告だった。


我が事のように嬉しかった私は


『よかったね。よし、お祝いになんかご馳走してあげる。』


と返した。
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