自称・悪役令嬢の華麗なる王宮物語-仁義なき婚約破棄が目標です-
ノックの音がして、部屋に入ってきたのはカメリーだ。
「馬車のご用意が整いました」と事務的な口調で知らせた彼女は、その後にニヤリとした。
「サロンパーティーで次のターゲットを見つけてきてください。帰られましたら、悪事の計画を立てましょう。金貨一枚で請け負います」
カメリーに振り向いたセシリアは、真面目な顔で深く頷く。
悪事のターゲットは、なにも城内で見つける必要はない。
今日は二十人ほどの同年代の貴族令嬢が集まるので、その中から選ぼうとしていた。
「意地悪できそうな相手を、きっと見つけてくるわ!」と意気込み、ドアへと歩きだしたセシリアを、ツルリーが後ろから呼び止める。
「セシリア様!」
振り向けばツルリーが、なぜか眉を寄せていた。
いつもの明るい雰囲気を消した彼女が、心配そうに注意する。
「くれぐれもイザベル嬢には注意してくださいね。私の勘では絶対になにかを仕掛けてきます。あの方こそ、真の悪役令嬢ですから」
「またその話なの? もう、ツルリーの勘違いよって、何度も言ってるのに……」
「馬車のご用意が整いました」と事務的な口調で知らせた彼女は、その後にニヤリとした。
「サロンパーティーで次のターゲットを見つけてきてください。帰られましたら、悪事の計画を立てましょう。金貨一枚で請け負います」
カメリーに振り向いたセシリアは、真面目な顔で深く頷く。
悪事のターゲットは、なにも城内で見つける必要はない。
今日は二十人ほどの同年代の貴族令嬢が集まるので、その中から選ぼうとしていた。
「意地悪できそうな相手を、きっと見つけてくるわ!」と意気込み、ドアへと歩きだしたセシリアを、ツルリーが後ろから呼び止める。
「セシリア様!」
振り向けばツルリーが、なぜか眉を寄せていた。
いつもの明るい雰囲気を消した彼女が、心配そうに注意する。
「くれぐれもイザベル嬢には注意してくださいね。私の勘では絶対になにかを仕掛けてきます。あの方こそ、真の悪役令嬢ですから」
「またその話なの? もう、ツルリーの勘違いよって、何度も言ってるのに……」