自称・悪役令嬢の華麗なる王宮物語-仁義なき婚約破棄が目標です-
ツルリーがなにを言っても、セシリアはイザベルを信じて疑う気はさらさらないようである。
しまいには、「イザベルはいつだって親切よ。小さな頃からのわたくしの親友を悪く言わないでね」と逆に注意されてしまったツルリーは、閉口するしかない。
頬を膨らませているところを見れば、納得していない様子だが、これ以上、説得の言葉を見つけられなかったのか、「いってらっしゃいませ」とだけ言って王女を送りだした。
カメリーと一緒に自室を出たセシリアは、一階まで下りて正面玄関から外へ。
玄関アプローチの前に横付けされている馬車に乗り込むと、見送りのカメリーが、「ターゲット探しをお忘れなく」と念を押す。
その口元が綻んでいるところを見れば、帰ってきたセシリアから、次の悪事に参画する代金として、金貨をせしめようと企んでいるのではあるまいか。
使用人男性が馬車の扉を閉めると、御者が馬に鞭を打つ。
走りだした馬車は、広大な前庭を抜けて城門から出ると、丘をゆっくりと下り、道幅の広い王都のメインストリートに入った。
外はまだ明るく、夕焼けの片鱗も見えない。
立派な佇まいの店々が建ち並ぶ通りは、買い物客や商売人が行き交い、いつでも賑やかだ。
しまいには、「イザベルはいつだって親切よ。小さな頃からのわたくしの親友を悪く言わないでね」と逆に注意されてしまったツルリーは、閉口するしかない。
頬を膨らませているところを見れば、納得していない様子だが、これ以上、説得の言葉を見つけられなかったのか、「いってらっしゃいませ」とだけ言って王女を送りだした。
カメリーと一緒に自室を出たセシリアは、一階まで下りて正面玄関から外へ。
玄関アプローチの前に横付けされている馬車に乗り込むと、見送りのカメリーが、「ターゲット探しをお忘れなく」と念を押す。
その口元が綻んでいるところを見れば、帰ってきたセシリアから、次の悪事に参画する代金として、金貨をせしめようと企んでいるのではあるまいか。
使用人男性が馬車の扉を閉めると、御者が馬に鞭を打つ。
走りだした馬車は、広大な前庭を抜けて城門から出ると、丘をゆっくりと下り、道幅の広い王都のメインストリートに入った。
外はまだ明るく、夕焼けの片鱗も見えない。
立派な佇まいの店々が建ち並ぶ通りは、買い物客や商売人が行き交い、いつでも賑やかだ。