自称・悪役令嬢の華麗なる王宮物語-仁義なき婚約破棄が目標です-
双子がいつもの如く口論を始めてしまい、「喧嘩はやめて!」とセシリアが止めに入ったその時、誰かがドアをノックした。
すぐに立ち上がって対応に出たのは、カメリーである。
訪室したのは若いメイドで、ドア口で用向きをカメリーに伝えると、一礼してすぐに引き返していった。
ドアを閉めたカメリーが、なにかを懸念しているような顔をして、セシリアに言う。
「国王陛下がセシリア様をお呼びだそうです。場所は執務室になります」
「もしかして……」
セシリアは呼ばれる理由を、こう推測した。
二つ目の人助けである靴屋の件は、ひと月以上も前のことである。
その後はどうなっているのかと、状況を尋ねるための呼び出しではないだろうか。
心の広い父なら、遅いと叱ることはないと思うけれど、なかなか三つ目の課題をクリアできない娘が、なにか困っているのではないかと心配しているのかもしれない。
それは侍女たちも思うことのようで、双子は同じ顔をして眉尻を下げている。
ツルリーが心配そうに言う。
すぐに立ち上がって対応に出たのは、カメリーである。
訪室したのは若いメイドで、ドア口で用向きをカメリーに伝えると、一礼してすぐに引き返していった。
ドアを閉めたカメリーが、なにかを懸念しているような顔をして、セシリアに言う。
「国王陛下がセシリア様をお呼びだそうです。場所は執務室になります」
「もしかして……」
セシリアは呼ばれる理由を、こう推測した。
二つ目の人助けである靴屋の件は、ひと月以上も前のことである。
その後はどうなっているのかと、状況を尋ねるための呼び出しではないだろうか。
心の広い父なら、遅いと叱ることはないと思うけれど、なかなか三つ目の課題をクリアできない娘が、なにか困っているのではないかと心配しているのかもしれない。
それは侍女たちも思うことのようで、双子は同じ顔をして眉尻を下げている。
ツルリーが心配そうに言う。