鳴る星の彼方

「どうせ教えるなら、生徒が2人に増えたって大丈夫でしょ？」
「でも……」

もごもごと呟いていると、絵里が私の制服をぐいっと引っ張って、小声で囁いた。

「由衣、これはチャンスだよ！」
「チ、チャンス……？」
「そう！人嫌いを治すチャンス！」
「人嫌いっていうか、私のこれは、人と上手く話せないだけで」
「分かった分かった。とにかく、うちと瞬以外の誰かと上手く話せる練習だと思って、陽介くんにも勉強、教えてみない？」
「無理だよ、そんなの」
「やってみなきゃ分かんないでしょ？大丈夫、どうしても無理そうならうちも瞬もフォローするからさ！」