初めまして、大好きな人
―十二月六日木曜日 PM09:23
今日も私は、喫茶店「ヴァポーレ」に行った。
ショコラミントが出てきて、ちょっと感動した。
本当に、この日記に書いてあることは事実なんだって
思ったら私は普通の生活が送れるかもしれないと
思ったのと同時に、虚しくなったの。
私はこの日記に頼らないと生活もままならないんだって
思ったらなんかね。
泣いてたら男の人に話しかけられた。
その人がこの日記に登場する榎本尚央だって、すぐに分かった。
だってダサい服を着ていたから。
尚央の「いつもの」はなんとハニーミルクラテだった!
一口飲んだけど、美味しかったよ。
その後はデパートに行ってシンデレラごっこをした。
お洒落な服を買ってもらって美味しいパスタを食べて。
楽しかったけど、お父さんとお母さんを思い出して泣いちゃった。
尚央に話を聞いてもらったら、尚央はお父さんたちの思い出は
忘れなくていいことだよって言ってくれた。
そして泣いてもいい、その分俺が笑わせるからって。
嬉しかった。明日の私がこれを覚えていないのはちょっと悲しい。
だってこんなに嬉しかったのに忘れちゃうなんて勿体ないよ。
これは叶わない願いなのかもしれないけれど、どうか叶うなら、
明日の私へ。
今日の尚央の言葉だけは覚えていて。
尚央のことは忘れないでください。
忘れたくないの。
ずっと、覚えていたいの。