S.O.S
『これを踏まえて
唯はどーしたい?』
他人事みたいな言い方に
初めて憎しみが生まれた。
「‥奥さんに言う。」
『そう。それで?』
さっきまであたしを
優しく包んでくれた心一は
どこにいるんですか?
『たぶんだけど
咲は知ってるんだ。
唯の存在』
「えっ?」
『あいつは強い。
昔から俺が音信不通になっても
「おかえり」って
迎えてくれる。
俺はあいつを愛してる。』
強い眼差しだった。
咲と呼ばれる奥さんは
確かに心一から
愛されてた。
悔しかった。
「心ちゃん‥
ケータイ貸してよ!」