S.O.S
*終焉
胸元が開いたあたしの制服からは
きっと先程の行為で
心一につけられたキスマークが
花を咲かしている。
《唯さん。
ごめんなさいね。》
「え?」
《あたし、心一のケータイを
内緒で見たことがあって
知っていたの。
純粋に心一のことを好きで
心一も素直な気持ちを
あなたにぶつけてた。》
「‥。」
なんだか恥ずかしかった。
《心一にそこまで
愛されてるあなたに
気が狂うほど嫉妬したから
あたしは見過ごすことにしたの。
あたしはきっと心一に
唯さんほど愛されていないから
あなたが苦しめばいいなんて
思ってたのよね。》
咲さんは十分
心一に愛されているじゃない。
「咲さん。
心一は愛してますよ。
あたしにさっき
断言してたくらいだから‥。」
『唯‥?』
《別れてくれとは言わないの?》
「咲さん。
心一のこと愛してますか?」
《‥愛してるわ》
「さっき心一が
唯のことは好き。
咲のことは愛してるって
あたしに言ったんです。
もう、あたしの出る幕はないな」
『唯‥』
隣の心一は、
しばらくあたしを見つめたあと
咲さんを見つめていた。
《唯さん。
本当にごめんなさい。
ありがとう。》
咲さんは泣いた。
あたしの隣にいた心一が
いつの間にか寄り添って
一緒に泣いていた。