一目見てから恋をする。
そんなの、ただの不良じゃん?
「ただの不良じゃん!!」
「ご…ごめんなさい。」
家に帰ってきた私は、テストの点数を素直に母に見せ、絶賛
怒られ中です。
「ちょっと!あなた、この子になんとか言ってよ!」
お母さんは、後ろで有意義に漫画を読んでいるお父さんに
話を振った。
「まぁ、俺が学生の時も凛子に負けず劣らずの点数だったか
らなぁ…。」
「お父様…。」
涙目で父を見つめると、苦笑いをしながらお母さんが言っ
た。
「凛子、あなた…今から塾行くわよ…。」
げっ…。
「お、お母さん?ま、まだ早いんじゃないかなぁ?
わ、私まだまだ頑張れるよ!」
「だまらっしゃい!」
「うっ…」
「支度して早く行くわよ!行く塾は…もう決まってるんだか
ら!」
はい!心の中で強く返事をし、私は塾へ行く支度をした。