「好き」「好き」「大好き」伝えたくて。~ライバルは親友~
「よし、帰ろ」


下駄箱から校庭に出ると、いろんな部活の掛け声が聞こえる。


「みんな、頑張ってるんだなぁ」


ちなみに私は帰宅部。


校門に向かって歩いていると、コロコロ、と目の前にボールが転がってきた。


「……サッカーボール」


ボールを拾って持ち主を探す。


すると遠くの方から声が聞こえた。


「すいませーん」


後ろを振り返ると片手を挙げて走ってくる……


「た、たたた、たか………!」


高木くん……っ!!


「あれ、藤原の友達だ」


“藤原の友達”……か。


そっか。私は絢香の友達であって、高木くんから見たら友達の友達。


「ありがとね」


高木くんはニカッと笑って私からボールを受け取った。


「……はい」


高木くんの背中が小さくなっていく。

< 12 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop