略奪的なその恋に、本気の愛を見つけた
その言葉で、もう絶対無理だと悟った。

私たちの結婚は、愛し合ってするものではない。
正広の親のためにするようなものじゃないか。

悔しくて悲しくて、胸が苦しくなる。
イライラやモヤモヤとは違う。
何とも言えない感情だ。
今すぐ体から剥ぎ取って、丸めて捨ててしまいたい。

電話を終えたあと、すぐさま布団に潜りこんだ。
よくわからないけど勝手に涙がこぼれる。

溢れる涙を止めることができなくて、とにかく気の済むまで泣きじゃくった。
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