略奪的なその恋に、本気の愛を見つけた
朝起きると目が腫れていた。
昨夜あれだけ泣いたのだ。
腫れない方がおかしい。

あまりのひどい顔に、溜め息を付きたくなるほど憂鬱になる。
いつもはコンタクトレンズをはめるところ、眼鏡でごまかすことにした。
分厚いレンズと太めのフレームが目元をカバーしてくれるでしょ。

会社に着くといきなり江藤くんに出会った。
いつも通り「おはよう」と挨拶をすると、江藤くんもいつも通り「おはようございます」と言う。

「どうした?イメチェン?」

江藤くんが私の目元を見ながら、ニヤニヤ聞いてくる。
バレてないわけがないのに冗談めかして言う江藤くんの気遣いが、私をほんのり癒す。

「似合う?」

そう聞いてみると、

「あー似合う似合う。」

すかさず棒読みで返してくる。

そんなやり取りが可笑しくて嬉しくて、そして優しくて。
私は胸がぎゅっとなった。
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