略奪的なその恋に、本気の愛を見つけた
***

仕事中に突然胃が痛くなった。
ここ最近のプライベートなことが精神的にきてるのかもしれない。
胸のあたりをぎゅっと圧しながら大きく息を吐いていると、江藤くんが通りすがりにそっと胃薬を置いてくれる。
江藤くんったら、優しさが身に沁みるよ。

「江藤くん、今日夜ご飯付き合って。」

「いいけど、胃が痛いんじゃないの?」

呆れたように笑いながらも承諾してくれる。

「お寿司食べたい。」

「胃が痛いのに寿司とか言う?」

薬でもう治ったというと、単純だなと笑われた。
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