略奪的なその恋に、本気の愛を見つけた
会社帰りに近くの回転寿司に行く。
カウンター席で並んで座り、やっぱりちょっとは胃のことを考えて控え目に食べ始めた。

「私さ、結婚やめたし、彼とは別れる。」

「せっかく俺が結婚式に乗り込もうとしてたのに?」

しんみりしそうな空気を、江藤くんはぶち壊すように笑いに持っていく。
それで何だか気が楽になって、私は思いのたけをぶちまけた。
それを江藤くんはただ黙って聞いてくれる。

「私、これでよかったのかな?いろいろありすぎてツラいよ。」

思い出されて少し涙が滲んでしまう。

ほんと、バカだな私。
“彼氏”とか“結婚”とか、そんな甘い言葉に惑わされてちゃんと考えずに突き進んでしまった。
反省することが多過ぎて自分に嫌気がさすわ。
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