略奪的なその恋に、本気の愛を見つけた
そう考えていると、じっと見られていることに気付く。

「何?」

「辻野さんって、ほんと鈍感だよね。」

と、江藤くんは頬杖を付きながら大きく息を吐く。

「え?私?」

「ずっとアピールしてるのに、何で気付かないの?」

江藤くんの言葉に、私はきょとんとしてしまう。
ん?どういうこと?
超鈍感でまったく気付いてくれない江藤くんの好きな人。
ずっとアピールしていた?

「俺の言葉は冗談じゃなく、全部本気だからね。」

ま、まままままさかの、私ですか?!
驚きすぎて椅子から転げ落ちそうになった。
とたんに心臓はバクバク鳴り始めるし、顔は熱くなるしで大変だ。
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